3歳でアメリカに渡った長男は、
4歳からニューヨーク市の学校制度に組み込まれました。
平日は現地校に通い、英語で学習していますが、
土曜日は補習授業校で日本語で国語と算数を学習しています。
日本で生まれ育った日本人を親にもちながら、
アメリカで生まれ育つ子どもにとって日本語は「継承語」、
つまり「親から受け継いだ言葉」です。
子どもの育つ環境で毎日使う言葉である「現地語」は英語で、
彼のように補習授業校に通って学習する子どもたちは
「継承語学習者」と呼ばれています。
さらに、国際結婚の家庭では、父親の母語と母親の母語という
複数の継承語をもつ場合もあります。
そんなわけで、ニューヨークではバイリンガルは当たり前、
3か国語を操る人も珍しくありません。
しかし、継承語は、幼少期から触れている言語なのに
成長するにつれて厄介な言語となることも多いのです。
前置きが長くなりましたが、ときどき、長男が
不自然な日本語を話したり書いたりすることがあり、
これは継承語学習者に特有な現象ではないかと思い当りました。
たとえば、こんな感じです。
「落ちた」(I fell.) → 「転んだ」
「人たち」(people) → 「人々」「○○の人たち」
「(宝くじで)勝った」(I won.) → 「(宝くじが)当たった」
「うれしく遊ぶ」(I play happily.) → 「楽しく遊ぶ」
「覚えない」(I can't remember.) → 「思い出せない」「忘れちゃう」
「犬をもっている」(I have a dog.) → 「犬を飼っている」
「友達を見る」(I see my friends.) → 「友達に会う」
最初は理解に苦しみましたが、自分の英語が上達するにつれ
単純に直訳していることが分かりました。
間違えたときに直してやると、徐々に自然な言い回しになっています。
ただし、「remember」のように意味が「覚える」と「思い出す」の二通りある言葉は
子どもに分かるように説明することが難しいです。
また、「happy」は、場合によっていろいろな使い分けがあり、悩ましい言葉です。
長女は12歳で、次女は8歳で移住しましたが、このような現象は長男だけです。
おそらく、8歳までには基礎的な日本語能力は形成されるのでしょう。
以上、非常に少ないサンプルの研究結果でした。
こんにちは。
返信削除我が家にも若干一名
「落ちた」や「覚えない」
をすぐ間違える人物が住んでいます。
(彼にとって日本語は外国語ですが)
継承語学習者の友人(30代)は先日
「ビルがヤケドになった。」
と言っていました…。
徹底的に直されないできてしまうと…
いつまでたっても、
そのままになってしまうのですよね…。
Tabitha さん、コメントありがとうございます♪
削除「ビルがヤケド」ですか・・・。
ウチの子なら
「ビルが火(fire)になった。」
と言いそうです。
徹底的に直さなければっ!
友人は「ビルがヤケドになって何もなくなった。」
削除と言っていたので…
たぶん、burned down
って言いたかったんだと思いますが…
突っ込める状況ではなかったので
誰も直さずにそのまま… (^^;)
あー、fire じゃなくて burn でしたか~。
削除今朝、学校へ行く道すがら、息子に
「ビルがヤケドになった」話をしたら、ゲラゲラ笑うので、
「では、どう言えばよかったでしょうか。」と聞いてみました。
「ビルから火が出た。」
ビルが火にならなかったので、
まあ、許容範囲かな・・・。