私は、小学生の時に古典を教わった記憶はありませんが、
現在の小学校5年生の国語の教科書には、
カリキュラムとして「竹取物語」「枕草子」「平家物語」「論語」が含まれています。
小学校3年生から、俳句や短歌に加え、「いろはにほへと」というお話もあって、
今後も“伝統的な言語文化”に関する内容が増えるのではないかと考えています。
まず、「高名の木登り」の原文を読んでみても、
子どもには何のことやら分かりません。
次に、教科書に掲載されている現代語訳を読んでみると、
「どうやら木登りをして降りるときの話らしい。」
ということが、なんとなく分かる程度です。
登場人物についても、混乱が見られますので、
「木登り名人」と「木に登らされている人」と「わたし(兼好法師)」の
3人が登場していることを押さえます。
古典作品や文語調の詩歌は、「難しい」「つまらない」と思われがちで、
短時間で小学生に古典文学の面白さを伝えるには“ビジュアル”が必要です。
なかでも、NHK for School が非常に分かりやすく、
出演者も豪華で楽しめるので、おすすめです。
NHK for School 「おはなしのくにクラシック」第4回 徒然草(兼好法師)
この「ばんぐみ動画」を見せるのがいちばん手っ取り早いのですが、
さまざまな制約があるため、今回は重要シーンを紙芝居風にして、
原文を一度読み、さらに口語訳を読むと
「あああ、そういうことか。」
と、大半の子どもたちが理解しました。
「失敗というものは、決まって、何でもないところで
必ずやらかすもんなんですよ。」
という木登り名人の言葉に、誰しも思い当たるふしがあるはずです。
古典作品は遠い昔の話だけど、昔の人も今の人と同じなんだな、と
気づいて、妙に親近感が湧くところに面白さがあるのだと思います。