2015/02/28

高名の木登り

小学5年生の国語の教科書に、徒然草の「高名の木登り」が掲載されています。
私は、小学生の時に古典を教わった記憶はありませんが、
現在の小学校5年生の国語の教科書には、
カリキュラムとして「竹取物語」「枕草子」「平家物語」「論語」が含まれています。
小学校3年生から、俳句や短歌に加え、「いろはにほへと」というお話もあって、
今後も“伝統的な言語文化”に関する内容が増えるのではないかと考えています。

まず、「高名の木登り」の原文を読んでみても、
子どもには何のことやら分かりません。
次に、教科書に掲載されている現代語訳を読んでみると、
「どうやら木登りをして降りるときの話らしい。」
ということが、なんとなく分かる程度です。
登場人物についても、混乱が見られますので、
「木登り名人」と「木に登らされている人」と「わたし(兼好法師)」の
3人が登場していることを押さえます。

古典作品や文語調の詩歌は、「難しい」「つまらない」と思われがちで、
短時間で小学生に古典文学の面白さを伝えるには“ビジュアル”が必要です。
なかでも、NHK for School が非常に分かりやすく、
出演者も豪華で楽しめるので、おすすめです。

NHK for School 「おはなしのくにクラシック」第4回 徒然草(兼好法師)

この「ばんぐみ動画」を見せるのがいちばん手っ取り早いのですが、
さまざまな制約があるため、今回は重要シーンを紙芝居風にして、
原文を一度読み、さらに口語訳を読むと
「あああ、そういうことか。」
と、大半の子どもたちが理解しました。



「失敗というものは、決まって、何でもないところで
 必ずやらかすもんなんですよ。」
という木登り名人の言葉に、誰しも思い当たるふしがあるはずです。

古典作品は遠い昔の話だけど、昔の人も今の人と同じなんだな、と
気づいて、妙に親近感が湧くところに面白さがあるのだと思います。

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